そろばんは日本の伝統文化


そろばんは、日本の伝統文化=昔から受け継がれたことが、その社会の風習となって、さらに現代の人や、これからの人に強い影響を与える文化のことをいいます。

 

四百年ほど前に中国から日本に伝えられた五だま2つ、一だま5つの姿のそろばんは、五だま1つ、一だま4つという日本独特の姿になり、いまは日本だけでなく、アメリカはじめ世界各国にひろまっています。

 

筆算は、江戸時代の末から、明治に かけて西洋から入ってきたのですが、それまでは、 日本人は、そろばんが計算の道具でした。

 

「読み 書き そろばん」のとおり、そろばんで 計算し、筆算は、ありませんでした。

 

いま、ほとんどの日本人が使っている四つだま そろばんは、日本人の知恵が生み出したもので、 これは、インド人が算用数字の0を発見したのと 同じ価値があるといってよいでしょう。

 


基礎能力の一つ教育の原点


千年以上も五だま2つを使っていた中国では、五だま1つ、 一だま4つのそろばんに移りつつあります。

 

 つまり、日本のそろばんは、よその国から見れば、全く「新しい計算器」 なのです。

 

そして、とくに、教育上すばらしい効果があることが、日本では、もちろん 外国でも認められるように、なってきたのです。

 

そろばん学習が、教育にすばらしい効果をあげる秘密はどこに あるのでしょう。

 

 


そろばん計算の秘密

・物を動かし操作して学習がすすむということは 子どもにとって大きな喜びで教育の原点ともいえます。

 

・そろばん計算は頭で考えていることを指先を使って、数を見ながら 操作するので、具体的であり、活動的ですから、子どもにとって おもしろい。

 

・しかも、上達の段階が細かく分かれていて、たとえば、級と いうものでその子どもの努力を認める形で与えられるので、楽しみ とか、やる気がでてきます。

 

・やさしい段階から学ぶことができ、そして、ひとりひとりの 能力にしたがい上達します。一歩一歩、確実に進んでいきます。

 

・そろばん学習は,理解と練習の繰り返しであり、それが、だんだん 速くなって計算できるようになる技術のおもしろさがあります。

 

 


考えない電卓 考えるそろばん


 電卓はだれでも簡単にてにはいります。

電卓は、そろばんと同じような用途があり、四則計算が、きわめて簡単に できます。

 

「坊や、計算につよくなるんだよ。」

と言って、電卓をみせている場面をテレビで見たことがあります。 電卓で数の鬼になれたり、計算に強くなることができるでしょうか。

 

たとえば、どんなたしざんでもかまいません。53たす42たす18、 これをポンポンとたたいて、

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そのとき電卓を使っている人は何を考えたでしょうか。なにも 考えていないでしょう。

 

「電卓があるから、そろばんはいらない。」という人がいたら、

「携帯の英語を訳す機械があるから、英語を勉強する必要ない」というのと 同じではないでしょうか。